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オーストラリアのトラムを巡る旅 三日目その2

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2017/01/01 Ballarat Tramway 14@Ballarat Tramway Museum

100年前のトラムが走る




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2017/01/01
メルボルンでのWクラスの撮影を終えて、午後からはバララットにあるトラムミュージアムに向かいます。
サザンクロス駅からVラインにのり1時間半ほど乗車し、終点のWendoureeまで向かいます。
終着駅だからそこそこ賑わっているのかと思いきや、びっくりするほど何もない駅でした・・・。妙に線路とホームが新しかったので、最近延長したのかもしれません。

駅から湖に向かって10分ほど歩くとバララットトラムウェイミュージアムの軌道が見えてきます。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 14@Ballarat Tramway Museum
線路に沿って歩いていると、トラムがやってきました!!
ここバララットトラムウェイミュージアムは、バララットとメルボルンのトラムを動態保存している保存鉄道です。
昨日訪れたベンディゴと同じく、元々は一般営業していたトラムでしたが、1971年に廃止され以降、一部の路線と車庫を残され動態保存鉄道として維持されています。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 14@Ballarat Tramway Museum
今日走っている14号は1915年に製造されました。メルボルン(M&MTB)でJクラス75号として活躍していましたが、1928年にメルボルン郊外のジーロングに譲渡され29号に改番されます。
その後1936年にバララットに再び譲渡され、14号に改番され今に至ります。

ビクトリア州の路面電車はメルボルンを中心にベンディゴ、バララット、ジーロングの4都市にあり、Wクラス投入によって余剰となったメルボルンの車両を各都市に分け与えていくという流れが基本でした。
さらに各都市の需要に合わせて、ジーロング→バララット、バララット→ベンディゴといった風に車両を融通しあうことも頻繁に行われていました。
非常にややこしいですがとても興味深いですね。車両研究の興味が尽きません。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 14@Ballarat Tramway Museum
湖に沿って単線の軌道が敷かれています。この日は1両しか動いていませんでしたが、日によって2両以上動くこともあるみたいです。運転日は土日祝日とスクールホリデーの時期で、12:30から17:00までです。
トラムは特に時間が決まっているわけではなく、乗客がいれば動くといった感じでしたが、見ている限り殆ど休むことなく動いていました。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 14@Ballarat Tramway Museum
せっかくなので乗車してみます。
大人一人4ドルで、乗車時に運賃を払います。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 14@Ballarat Tramway Museum
周辺は公園になっているので、親子連れがよく乗車していました。保存鉄道とはいえ、100年前のトラムに乗れて感激です。

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2017/01/01 @Ballarat Tramway Museum
乗車を楽しんだ後は車庫見学に向かいます。
トラムの運転日と同じ日に車庫も空いていて、無料で見学することができます。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 27@Ballarat Tramway Museum
屋外に27号が展示されていました。1916年製でメルボルンでMクラス116号として活躍後、1930年にバララットに譲渡され今に至ります。
1930年代の塗装に復元され、動態保存されています。

よく観察してみると車体中央部と両端で、外板と窓枠の処理が違うと思いますが、これはオープンデッキだった時代の名残です。
元々両端はドアも壁もなく、枕木方向に椅子が設置される独特な形状でしたが、後年車体全体を壁で覆う工事を施工され、このような形となりました。

車体中央のサロン部分と両端のデッキ部分が混在する形状のトラムのことを、カルフォルニアコンビネーションと呼びます。サンフランシスコのケーブルカーを参考にして作られたからカルフォルニアなんだそうです。
オーストラリアはこのカルフォルニアコンビネーションのトラムが好まれ、単車から初期のボギー車まで広く採用されました。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 27@Ballarat Tramway Museum
車内はこのような感じです。
オープンデッキ時代の名残で、中央の客室部にドアが設置されています。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 27@Ballarat Tramway Museum
運転台は直接制御車らしくシンプルな構成です。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 27@Ballarat Tramway Museum
サイドビューです。
ホイールベースに対して車体長が非常に長いですが、車体の垂下などは発生していません。
左右対称にまとめられ、非常に美しいトラムですね。

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2017/01/01 @Ballarat Tramway Museum
庫内に入りました。
所狭しと動態保存トラムが並んでいます。素晴らしいとしか言いようがないです。

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2017/01/01 Ballarat Tramway W4.671@Ballarat Tramway Museum
一両ずつ見ていきましょう。
これはメルボルンのW4、671号で、1934年に製造されました。
W4はWクラスの前期形と後期型の中間に位置する車両で、試作的な要素の強い車両です。そのため製造数も少なく、5両しか製造されませんでした。運転台が拡大されたのはこのクラスからで、その後のWクラスのデザインの基本となりました。
1976年に通常営業から引退後、バララットで動態保存されています。

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2017/01/01 Ballarat Tramway W4.671@Ballarat Tramway Museum
中央部には乗降用のスペースが3箇所あり、ドアはついていません。
W2~W5までのWクラスはこの配置が基本です。遮光幕のようなものが上部に設置され、雨風をしのげるようにはなっています。
創生期のトラムはどの国もドアの無いオープンデッキタイプが主流でしたが、ここオーストララリアでは1940年代までドアがありませんでした。結局はドアが必要だったとうことで、既存の車両も改造されていくわけですが、 なぜその時代になるまで気づかなかったのか理解できません。

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2017/01/01 Ballarat Tramway W4.671@Ballarat Tramway Museum
車内はこんな感じです。

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2017/01/01 Ballarat Tramway W4.671@Ballarat Tramway Museum
中央部は座席にシートが貼られていません。雨に塗れてもいいように対策されているのでしょうね。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 40@Ballarat Tramway Museum
奥にはバララットの40号がいました。
1913年製で、やはりメルボルンでCクラス35号として活躍していました。1951年にバララットに譲渡されました。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 40@Ballarat Tramway Museum
車内はこんな感じです。
サロン部分も含めて座席にシートが貼られていません。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 40@Ballarat Tramway Museum
中央部に乗降スペースを設けるオーストラリアのボギー車の基本的な構成で、もちろんドアは付いていません。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 26@Ballarat Tramway Museum
続いてバララットの26号です。
1916年に製造され、メルボルンではMクラスの111号として活躍後、1930年にバララットに譲渡されました。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 26@Ballarat Tramway Museum
26号はなんと前述したカルフォルニアコンビネーションが復元されていています!
製造時の気品あふれる姿が再現されていて素晴らしいですね。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 14@Ballarat Tramway Museum
車庫見学を終え、撮影に戻ります。
ダブルルーフ、ポール集電の100年前のトラムが動いているなんて信じられないです。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 14@Ballarat Tramway Museum
縦撮りで頂きました。何回も撮影していると運転手から手を振って貰えるようになりました(笑)。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 14@Ballarat Tramway Museum
終点で折り返し待ちのところを撮影。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 14@Ballarat Tramway Museum
公園内は松の巨木が大量に埋まっていて、望遠で撮るとミニチュアのように見えます。

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2017/01/01 Ballarat Tramway 14@Ballarat Tramway Museum
夕方になって車庫へと帰っていくところを撮影しました。
ジオラマのような線路をかわいい電車が進んでいく感じが堪らないです。

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2017/01/01 Ballarat Tramway @Ballarat Tramway Museum
車庫前で27号と並びました。

バララットでの撮影はこれで以上です。素晴らしい時間を過ごさせて頂きました。

三日目は以上です。四日目に続きます。

オーストラリアのトラムを巡る旅 一日目その1
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Author:尻手人
千葉県に住む社会人
ロクヨンセンを追い求めてどこまでも

電車と飛行機の写真撮ってます。活動場所は相鉄線と厚木基地がメインです。海外鉄も始めました。

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